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補助金・助成金に関するコラム

補助金・助成金申請で大きく勘違いされていること その6

皆様、明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い申し上げます。
さて、今回も前回に引き続き「補助金」について書かせて頂きます。

前回にも書きましたが、「補助金」は国や地方公共団体の税金で運用されている
ものが殆どです。
さすがに審査も厳しいですし、申請も煩雑なものが多いのが現状です。
しかしながら、近年の補助金は補助金額が大きくなっているのと、多種多様な案件が
発生しております。

しかしながら、簡単に申請すればいいというもの
ではありません。
冷静に判断し、考えなくてはいけない事が沢山
あるのです。
では、今回はその中で「創業」に関する補助金に
ついて詳しく書かせて頂きます。

25年12月末に締め切りましたが「創業補助金」と
いう制度がありました。これを例にとってみます。
この事業は、経済産業省から補助金を受け、
独立行政法人中小企業基盤整備機構との
委託に基づき、都道府県毎に設けられる事務局が実施するものです。
この事業は年度予算が確定されてから、ほぼ毎年実施されております。
国としては、独創的な起業・創業を考えている方の後押しをしたいのです。
つまり、地域経済の発展と雇用の確保を図るためには、国はいくらでも協力すると
言っているのです。

どの補助金もそうなのですが、補助金を得る上で
「どうして補助金が必要なのか?」という明確な
理由は不可欠です。当然ですよね。
確かに、「お金がないから」という理由は重要
なのですが、それならば無理をして事業を
しなくてもいいのでは?という見方も
できるのです。
補助金獲得のためには「説得」をしなければなりません。
そうです。外部有識者による審査があるのです。
審査をクリアするには、まず「事業計画書」というものが必要なのです。

「事業計画書」は、経営者の皆様は、金融機関の
融資を受ける際に書いた経験があるかと思います。
創業補助金を申請される方は、今までこのような
計画書を書いた経験がない方が殆どだと思います。
しかし、これが無いと「補助金」の申請書は
まず書けません。
明確かつ簡潔な「事業計画書」を作成するのが、
補助金獲得への第一歩なのです。
「創業するからついでに補助金も申請しちゃえ!」と
ただ漠然と補助金申請される方が本当に多いのです。
まずここで大きな間違いを起こしているのです。
その創業が、本当に会社として存続出来るのかを冷静に分析しなくてはいけないのです。
この分析能力こそが、経営者としての今後の資質となるのです。

ここでは、補助金申請にも使える「事業計画書」の
書き方とポイントについて説明します。
「事業計画書」は創業される方にとっては、
これからの事業の「バイブル」を作成する
ようなものです。
まずはこれを完全なものに仕上げてから、
補助金申請書を着手するのが確実だと思います。
勿論、補助金だけでは事業資金は全て
賄えません。
また、補助金を交付されるまでの運転資金は、
自己資金の他に、金融機関の融資を受けなくてはいけない場合が多いです。
その金融機関を説得するためにも、完成された「事業計画書」は絶対必要なのです。

補助金の審査担当者も、金融機関の融資担当者も
見ている基準はほぼ同じです。
以下になります。

①創業を決意された動機は明確であるか?
創業後は小船が大波の中、航海を始めるのと
同じです。
予想外のさまざまな困難がやってきます。
それらを船長として、乗り越えられる強い決意が
あるかどうかを見ています。

②提供する商品やサービスのセールスポイント、他社と違うところは何か?
どこに独創的な要素があるか?また、ターゲットの明確化が出来ているか
といった要素の有無を見ています。

③競合他社と比較して、品質や価格で充分な競争力があるか?
顧客目線から見た場合、明らかな優位性があるかどうかを見ています。

④これから行う事業について、知識、経験、ネットワークがあるか?
特に創業の場合は、経験のある業種での知識があることが必要です。
また、仕事をすぐ受注出来るかどうかは、以前の経験による人脈、信用が
あるかどうかを判断されます。
未経験分野の場合は大きなハンデになります。

⑤提供する商品・サービスはニーズがあるか?
単なる統計データではなく、想定している商圏に具体的なターゲットがあるか?
またその絞込みが出来ているかを見ています。
ここの説明が甘いケースが本当に多いです!
ここは熟考する必要があります。

⑥販売先や仕入先が確保される見込みがあるか?
これは当然ですよね。特に販路を見越していないと夢物語になります。

⑦売上や経費に関して、根拠があるか?
単なる「希望値」ではなく、積み上げた予測値であることが必要です。
これを積算で数値化出来るかの能力も見ています。
同業他社の実績なども検討する必要もあります。
無理な数字は見抜かれます。
ほぼ必達!の数値を書くようにします。
「そんなのやってないのに無理!」と思うかもしれませんが
まずは「基準線」が無いことには何も予測できません。
また、これが事業として本当に成立するのかを冷静に判断する必要があるのです。

⑧事業に必要な従業員やビジネスパートナーが確保される見込みがあるか?
必要とする人材像やビジネスパートナー像を明確にして、
それを確保するにはどのような企業成長をしなくていけないか、
将来像を描けているかを見ています。

⑨ ⑧を踏まえた、創業後の具体的な収支計画があるかどうか?
今後の見通しです。収入は多め、支出は少なめに書く方が本当に多いのです。
甘い見通し計画より、実際に想定される数値を入れて検討してください。
無理な計画は「絵に描いたモチ」です。確実にいけそうな数値で検討します。

⑩最後に、創業に向けてどのような準備をしたか?
創業塾等の各種セミナーの受講、商工会等の個別相談会参加等のことです。
勿論多ければ多いほど、創業に対して意欲的と判断されます。

まずは、この10項目について検討してください。
これらをちゃんと考えているかによって、
事業計画書の出来が全然違います。
頭痛いかもしれませんが、「創業」とは経営者に
なることなのです。
法律・経理・税務・労務など幅広い知識の上に、
強い意志や体力、そして努力が必要なのです。
そして最後に十分な金銭感覚も要求されます。
これらがちゃんとあるかを、補助金の審査担当者や
金融機関の融資担当者は、しっかり見ています。
まずは彼らに信用してもらうための一歩です。

これらは妥協せず、しっかりしたものを
作り上げてください。
「なぜ、この事業を行いたいのか?」
「どのようにこの事業を行うのか?」
「そのために、どう資金を活用するのか?」
をそれぞれ組み立てる必要があるのです。

さて、次回はこの10項目が出来た時点からの
事業計画書のまとめ方と補助金申請について
書いていきたいと思います。

 

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